結成趣意書

 平成27年11月5日、京都外国語大学・京都外国語短期大学教職員組合が正式に結成されました。
  18歳人口の減少に歯止めがかからない状況の中で、私立大学の生き残り競争が激化しています。とりわけ本学のような外国語の単科大学は、国際化を図ろうとする総合大学との厳しい競争に晒されており、財政基盤のはるかに堅固な総合大学に対抗するために施設や設備の拡充を迫られています。その結果、経営状態の悪化が懸念される。それが本学の置かれた現状です。
 こうした状況から脱却するために、現在、本学では労働条件や雇用条件の引き締めが図られています。しかし、そうした解決策は経営者がまずとるべき道なのでしょうか。むしろ、数々の派手な行事を止め、重複予算の無駄を省く等、経営者自身がこれまでの放漫経営を見直す努力こそが何よりも求められるべきであって、教職員の生活に影響を及ぼす人件費削減はそうした経営努力の果たされた後に初めて、それも教職員の理解を得ながらおこなわれるべきものではないのかと考えます。
 この数年間、本学では、さまざまな事業が無計画に実施されてきた結果、教職員に課せられる労働のノルマは増え続けています。そして、それは限界に達しており、教職員はすでに疲弊の極にあります。その中で、病気になった人もいますし、定年前に退職を考える人さえいます。その一方で、求められる仕事内容を給与に反映させようとする評価制度が導入されようとしています。今や、教職員は追いつめられようとしています。もうギリギリなのです。人を育てることをめざす教育現場の環境は、今や寛容性とゆとりが失われようとしています。教育に携わる者から精神的な余裕が失われ、自分の生活を考えることで精一杯になってしまった時、それが教育の質の低下に結びつくであろうことは避けられない事態です。
 また定年後の労働形態についても、理事会及び経営者はこれまで慣例として暗黙のうちに合意されてきた内容を無視するだけでなく、明文化されている規程を踏みにじってまでも一方的な改変を断行しています。これは、長年培われてきた経営者と教員との信頼関係を崩壊させるものであり、経営に対する信頼を一挙に失わせる出来事でした。
 教員は、もはや経営者を信頼することができません。加えて、これらの事案にあって、教員の立場に立つべき学長は、一度たりとも教員に寄り添い、教員を守ろうとする姿勢を示したことがありませんでした。このような学長に私たち教員は決して信頼を寄せることができません。こうして残念ながら、経営者も学長も教員を守る人びとではないことを私たちは痛感するに至りました。
  一方、職員に対しても経営者は人件費削減を図るために、非正規雇用を推進してきましたし、さらに教員と同様の評価制度を導入しようとしています。その結果、職員も仕事への意欲を低下させ、職場全体は士気も活気も失ってしまっています。誰も今の経営者に信頼を寄せて、経営者とともに現在の難局を乗り切ろうという気持にはなっていないのが現状であると言えます。皆の心は経営者から離れたのです。
 大学は人間を育てる場所です。それは人と人との信頼関係にもとづいた、数字には表わせない様々な業務から成り立っています。教員も職員も、この崇高な仕事に携わっていることに誇りを持ち、お互いを信頼し合いながら日々の仕事に頑張っています。こうした誇り高い仕事を成し遂げるためには、互いに協力し合う教職員全体の生活環境及び職場環境、労働条件が適正であり、皆の納得しうるものでなければなりません。自分の仕事に心から満足できるものでなければ、私たちはこの崇高な仕事を、誇りをもって成し遂げることなどできません。
 しかるに経営の最高責任者である理事長は自らの体面と名誉を追い求めることに汲々とし、大学の宝であるべき教職員の現状から目をそむけ続けてきました。教職員の生活に関わる大切な事案に関しても、自分の言葉で教職員に語りかけることを怠ってきました。それは取りも直さず、経営者が教職員の心を理解しようとしてはいないことを明白に示しています。
 それ故、私たちは自分の生活を守るために立ち上がらざるをえませんでした。大学経営者はもちろん、味方であるべき学長ですら私たちを守ってはくれなかったからです。私たちは、このような経緯を経て京滋地区私立大学教職員組合連合の一員として、本組合を結成することにいたしました。これより本組合は、教職員の労働条件、教育研究条件の改訂等にあたっても、理事会及び経営者の独断的・一方的な決定を阻止し、教職員の声を最大限に経営に反映させるように努力いたします。
 なお、本組合は、上記の目的を達成することを目指すものであって、いたずらに理事会及び経営者と対決することを望むものではありません。むしろ、組合と理事会及び経営者とが相互の権利を尊重し合いながら健全な緊張関係を維持していくことこそ、本学の将来的な発展に資するものであると考えています。
 最後に特に強調しておきたい点として、労働組合の結成と活動は、労働者の団結権及び団体交渉権を認めた日本国憲法第28条及び労働組合法(昭和24年6 月1日施行)第二章において、法的に認められたものです。また、組合員に対する使用者側からの不当労働行為は、同じく労働組合法第二章第七条において禁じられており、万一そのような行為があった場合には、法的に厳しい罰則が科せられます。
 以上、労働者の権利を十分にご理解の上、本組合結成の趣旨にご賛同いただくとともに、多数の教職員の参加をお願いする次第です。
 信頼し合って集まり団結することが、私たちの生活を守る力を生み出します。この息苦しい職場を団結の力で変えていきましょう。
                                執行委員会一同
                           

inserted by FC2 system